令和7年2月28日(金)、日本大学理工学部応用情報工学科の五味悠一郎准教授によるキャリアアップ講座(大学出前授業)が行われました。講座のテーマは「情報システムを作ってみよう~システム開発の上流工程を学ぶ~」です。中学3年生から高校2年生までの19名が参加し、システム開発について学びました。
講座の目的は、ソフトウェアやシステムを作る際の基本的な手順や考え方の習得。2部構成で展開しました。
前半は、講義スタイル。五味先生より「プログラミングはシステム開発の一部。プログラミングだけではシステムは作れない」との解説があり、システム開発の手順や、その中で重要な上流工程である要求分析(注1)について詳しく説明がされました。具体的で分かりやすい説明に、生徒たちは興味津々で聞き入っていました。
後半は、4~5名のグループに分かれ、「システム要求を考え、整理する」ワークを実施。システムA「おうちコンシェルジュ」、システムB「お食事サポートロボット」のどちらかを選択し、「システムの利用者を考える(ペルソナ分析(注2))→システムの要求を獲得する→システムのユースケースを整理する」という課題に取り組みました。まずはグループ内でブレインストーミングを行い、KJ法(注3)で意見をまとめます。その後の各グループの発表では、自分たちの考えをしっかり言語化し、参加者全員で意見を共有しました。
質疑応答では、「大学で学ぶコンピューター言語の種類」、「ゲーム制作と大学での学びの関係」、「セキュリティについて」など様々な質問が飛び交いました。先生はその一つひとつに詳しく丁寧に回答してくださいました。
参加した生徒達の感想の一部を紹介します。
・グループワークでは同じテーマで考えても、班ごとでかなり違った意見等が出ていたのが驚きだった。個人作業では思いつかないような意見を出し合えて楽しかった。
・フローチャートが懐かしかったです。
実際に情報系に進むと、プログラム開発について、より詳しく学ぶことになるとわかりました。勉強をゲーム感覚でやれるのがいいなと思いました。
・私は今自分のやりたいことを探している最中なのですが、今まで詳しく知ることができていなかった情報工学という分野について今日は詳しく理解できました。
今回の講座は、生徒たちにとってシステム開発の魅力を知る素晴らしい機会となりました。起業経験のある先生ならではの豊富な視点からのアドバイスを受け、生徒たちはシステム開発への関心をさらに深めた様子でした。進路を具体化するきっかけになる、記憶に残る講座となったようです。
進路指導部では、今後も様々な企画を通して生徒たちの学びと成長をサポートしていきます。
(注1)要求分析…システム設計工程の一つ。設計者が顧客の要求を明確化し、作りたいもののイメージをはっきりさせる。
(注2)ペルソナ…ユーザー調査から得られた具体的なデータをもとに作成した仮想のユーザー像。
(注3)KJ法…カードや付箋に一つひとつの情報を記し、グループ化やラベリングを行い、情報を整理してゆく手法。