2月19日(水)、第15回SGアカデミー:未来講座が開かれました。今回の講師は荒井経氏(東京藝術大学大学院教授)で、「文化財保存について」と題する、美術品・文化財の修復、保存に関わるご講演をいただきました。
松戸神社(松戸市)の神楽殿に残された明治時代の天井絵の修復や、福島県飯舘村の山津見神社のオオカミ天井絵(火事で焼失)、首里城(第2次世界大戦で焼失)にあった王の肖像画(11枚)の復元作業についてお話がありました。残念なことに復元作業中の絵は、昨年10月の首里城の火災ですべて失われてしまいました。今もある古いものに修復を加えて次の時代に伝えていく作業や、なくなってしまったものを取り返す作業、首里城のように、一度のみならず二度にわたって焼失してしまっても、それを作り続けることが文化の伝承にとって大切なことだというお話でした。また美術館などにいって作品を鑑賞する楽しみを覚えて欲しいということも最後に付け加えていました。
ご講演のあと、希望する生徒と座談会が行われました。復元作業の実際についての質問や、「復元」とは制作された時の状態を目指すのか、それとも失われる直前の状態を目指すのかなど、「復元」の本質にせまる鋭い質問も飛び交っていました。ご講演や座談会を通じて、生徒は多くのことを学びました。