本学院中高では毎年春と秋の2回,芸術鑑賞会を開催しています。今回は10月7日(水)・8日(木)の両日にわたって本学伊藤記念ホールで観劇をしました。タイトルは「いのちてんでんこ つなぐいのち」で,ダンスオペラカンパニー「未國」の手によるものです。
作品は,2011年3月11日の東日本大震災直後に集められた被災者の証言をベースに創作されたものです。ストーリーは,市役所に入庁したばかりの若者,大が東日本大震災の後,避難所の世話係になったところから始まります。なにも出来ない大は日々苦しみ悩んでいましたが,唯一の心の拠り所は地元の郷土芸能,鹿神楽に没頭することでした。そんな時自分を叱咤し励ましてくれた先輩が自らの命をたってしまいます。支えを失った大は,鹿神楽を通して地域の人達との絆を深め,津波で失われた祭りを復活させていきます。そして大は気仙の地に根を下ろす存在となっていきます。
次に校3生徒の感想を一部紹介いたします。
「命の大切さ,人とのつながりなど,さまざまな要素がつまっているお話で,私自身もその時の自分の感じた気持ちを忘れないように,亡くなった人達の分まで必死に生きようと思った。」
「東日本大震災の時のことはテレビなどで知っていたつもりだったけれど,改めて今回すごく悲惨な状況で,身体的にも精神的にも辛かったのが伝わってきた。…家族にも,もう一度話したいと思った。」
「命の大切さも感じられた。震災のことは忘れてはいけないと思うから,下の世代に伝わっていけばいいと思った。」
「かけがえのない大切な命・ふれあい支え合う命・ともに輝き未来へ繋がる命」について考えさせられる鑑賞会でした。中学生・高校生ともに真剣に観劇し,自分なりの感性で受け止めていたようです。