2025.03.01
~卒業生が語る、獣医師への道(令和7年2月6日)~

 令和7年2月6日(木)、本校の中学校、高等学校で学んだ太田美玖さんが来校。獣医師の仕事に興味を持つ中学3年生、高校1・2年生たちに獣医師になるまでの道のりを話されました。

 太田さんは、現在は北海道で牛の獣医師をしています。獣医師を目指したのは、小学生の時、鴨川シーワールドの獣医師・勝俣悦子さんの本(『わたしはイルカのお医者さん』)を読んだのがきっかけでした。それから獣医学部合格を目指して勉学に励み、見事現役合格を果たしました。

獣医師への道について語る卒業生の太田美玖さん

 獣医学部の受験は非常に厳しく、学校のある日でも毎日数時間以上の勉強時間を確保し、太田さんは努力を重ねたそうです。特に、生物や化学の知識が重要で、基礎からしっかり学ぶことが大切というお話や実際に使用した参考書や問題集についての具体的なアドバイスがありました。

 大学2年の牧場実習。その10日間で牛の愛らしさに惹かれ、獣医師の治療で元気になる牛の様子を見て、牛の獣医を目指すことに決めた太田さん。試験は覚える内容が多いため勉強量も多く、所属した研究室でもたくさんの活動があり、忙しい日々を送られました。

 獣医師の仕事をしていて良かったこと、辛いことなどについてもお話がありました。獣医師として働き、特に嬉しいと感じる瞬間は、難産など難しい治療が上手くいった時、一方で辛いと感じる瞬間は、動物の死と向き合う時。救えない命があることを痛感し、その度に心が痛むと話されました。

 お話の最後に、「獣医師の就職状況」、「動物の殺処分について」、「消化器・呼吸器など牛の病気について」、「動物看護師との違いについて」、「大学選びについて」、「大学受験でのモチベーションアップの方法」など、様々な質問が飛び交いました。その一つひとつに丁寧に回答をいただき、獣医師の世界の実情を知る貴重な機会となりました。

 最後に参加した生徒の感想の一部を紹介します。

・不安に思っていたことをこの講習会で聞けて良かった。特にどの参考書にすればいいかが気になっていたから、ためになった。自分の夢を叶えるためには一人でひたむきにやればいいわけではなく、仲間を作っていこうと思った。獣医になるのが余計に楽しみになった。

・獣医師になる試験以上に、大学受験の時の方が厳しさを感じたという話が意外だった。動物の死への理解は必要だとわかった。

・獣医師の仕事や自分が今やった方がいいことがわかった。将来何になりたいかまだ悩んでいるので、この話を聞いて良かったと思った。

 この会を通じて、生徒たちは獣医師という職業の魅力や厳しさを学び、多くの刺激を受けました。進路指導部では、今後も様々な企画を通して生徒たちの学びと成長をサポートしていきます。