9月29日(火)、第17回SGアカデミー:未来講座が開かれました。今回の講師は上田耕二氏(ADRA JAPAN)で、「のぞいてみよう!「国際協力」~タンザニアの教育現場から~」と題する、国際貢献に関わるご講演をいただきました。なお新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から、今回はオンラインでの講演とし、生徒は各教室で視聴しました。
上田氏は大学卒業後民間企業や高校教員の経験をへて2013年からJICA海外協力隊でタンザニアに派遣され、理数科教師として活動しました。教材も教室設備も不十分ななか授業に取り組む傍らで、野球部を結成し、野球の指導にも取り組みました。2018年からはイギリスで世界中から集まった学生と意見を交わしながら教育における国際協力について学び、2018年からはNGO職員としてジンバブエの教育事業やネパールの保健事業に携わり、現在にいたります。ご講演では、タンザニアの教育状況や、子どもたちに教育が与えた影響、国際協力における継続性についてお話がありました。
今回のご講演で最も印象的だったのは、ローダという女性のお話でした。ローダの家は貧しく、学費も払えなかったので、彼女は母親から結婚を強要されていましたが、進学した高校では、教師に学費も出してもらい、今は看護婦を目指して看護学校で学んでいます。その彼女は「教育が唯一の成功への道だと知っています。そのため一生懸命勉強しています。私の成功というものは、自分の人生を歩めること、親を助けること、貧しい人たちに私がしてもらったように支援できることです。」と述べています。
また最後に「貧しく食べるものがない人々がいます。あなたはどんな支援を考えますか?」という問いかけがありました。一時的に食料を配ることも大切ですが、継続して食料が確保できるように支援しなければなりません。つまり、将来のことを考えることも国際協力のあり方として大切だということです。
ご講演のあと、国際協力や国際医療に興味がある、英語を使った仕事に関心がある生徒18名と座談会の場が持たれました。親しみやすい口調で、生徒も活発に質問していた様子が印象的でした。